2025年4月23日
こんにちは!
稀な上肢の疾患、前回の橈側列形成不全の次は先天性尺側列形成不全について書きます。
Cureus.2023より引用
橈側列はと肘から先の親指側の列
尺側列はと肘から先の小指側の列
先天性尺側列形成不全は肘から先の尺骨という骨や小指や薬指の形成が悪い病気です。
橈側列形成不全と同様に軽症では尺骨が軽度短いだけです。
重度なお子さんでは尺骨が完全に欠損していて小指もないです。小指+薬指がない場合もあります。
J Hand Surg.2005から引用
一般的に先天性尺側列形成不全は橈側列形成不全症にくらべて手の機能は良好です。
それは前回に書いたように手の機能として親指が非常に重要だからです。
物をつかむ際には親指が対立という向かい合う位置に来て相手に人差し指や中指があればつまみ動作が上手にできます。
尺側列形成不全では親指、人差し指、中指の機能はほぼ正常のためモノをつかむ機能は良好です。
治療としては尺骨が短いために肘から先が曲がってしまうことに対する治療がメインとなります。
手首の位置が曲がってしまうため手の機能が若干落ちるため多くのお子さんで手術自体は必要になります。
次回書きます。