コラム

2021年11月20日

先天性内反足の再発・追加治療について その3


こんにちは!

先天性内反足の再発・追加治療の大きくなってからです。

 

小学校高学年から高校生くらいまでの成長期に足が硬くなってきて尖足だけでなく内反が再発することがあります。

概ね小さい時から硬めのお子さんに多いですが、現在のPonseti法に代わってからはかなり減っていると思います。

前にも書いたように小さいときに手術で組織を切ってしまうとその後がかなり硬くなってしまいます

以前は赤ちゃんの時にも手術で組織を切っていたため大きくなって硬くなるお子さんが多かったです。

 

10歳を越えて内反が再発して硬い足には骨で矯正する手術がよく行われます

10歳以下では骨が軟骨も多く、手術後の成長障害も大きいため骨の手術はなるべく避けます。

10歳以降の内反の再発でよく行われる手術がEvans手術(エヴァンス手術)です。

International journal of foot and ankle, 2020

これは内反しないように足の外側を短縮する手術するです。通常内反すると足の内側が短縮して外側が伸びます。

足の外側の踵骨と立方骨という骨の間の軟骨を削って少し短くして関節を固定してしまいます。

それほど大きな手術でなく、関節を固定すると内反の再発のリスクがグッと減るので良い手術です。

 

さらに大きくなって内反、尖足が強くなれば他の関節の固定術も行われます。

3関節固定と言われる手術です。踵立方関節、距舟関節、距骨下関節という足首の下の3つの関節を止めて

内反、外反しないようにして足首は上下にしか動かなくする手術です。

最近は先天性内反足の変形の強いお子さんがいなくなっているのでほとんどされなくなっていると思います。

足の関節は本来色々な部分が協調しながら動いているので多くの部分を止めると残された関節に負担が大きくなり

将来関節が傷んでしまう可能性が高くなります。

現在では他の病気を合併しているお子さんにしか行われていないと思います。

 

関節固定術をしたからといって走れないなどはありませんので、あまり心配しないでください!

始めに書いたように先天性内反足のお子さんは普通にスポーツもできています

 

先天性内反足の治療は以上です。

次はよもやま話します。

 

 

 



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