コラム

2021年10月17日

先天性内反足について


こんにちは!

今日は「先天性内反足」という比較的珍しい病気について書きます。

私が開業するきっかけをつくった疾患です。

つい先日大阪大学で胎児カウンセリングをした際にご両親がネットをかなり調べられていたので

私も治療する現場の医師として生の情報を書くべきと思い書いています。

生まれた時から足が内反(足首がうちに曲がって)していてカチカチの状態の疾患です。

赤ちゃん1000人に1人くらいで発症して男の子の方が多いです。

赤ちゃんはお腹の中で足が丸まっていることが多いので見た感じ足が内にはいっているお子さんが多いです。

大事なのは先天性内反足はカチコチで、まっすぐな状態にまったく動きません。

お腹の中の姿勢の影響で足が内にはいるお子さんは基本柔らかくて色々な方向に足が動きます。

 

大きな特徴として先天性内反足は

  1.  指先が親指側に傾いている(前足部内転)
  2. 足首が上に上がらない(尖足)
  3. 踵の骨が内に曲がっている(後足部内転)

この3つの特徴があると言われています。

踵はわかりにくいので、指先が内に傾いて足首が上にあがらない、カチコチの足と認識してください。

 

原因は不明で、足根骨という足のいくつかある骨の配列が乱れているため変形していると考えられています。

 

治療については次回書きます。

 

私が開業したきっかけとなったのは先天性内反足疑いのお子さんが3件ほどクリニックや総合病院受診して

よくわらかないといって大学病院に紹介されました。

私がみた瞬間にカチコチの足ではなくて胎内の姿勢の影響であり自然と内向きは治ってくると説明して診察は5分程度で終了しました。

小児整形外科疾患を地域で診られる医師がいなくなっている現状に驚きました。

現在の病院での専門性を重視する研修の為、専門でない疾患がみることがまったくできなくなってる現状だと思います。

それを見て私は地域医療をして、特にお子さんの病気では大きな病院に行く必要のないものを近くで適切に診断・治療したいと思うようになりました。

何でもかんでも大学病院やこども病院に紹介される現状をなんとかしたいと思い開業することにしました。

 

先天性内反足はレントゲンなど撮らなくても、見た瞬間に診断はつきます。

 

では次回2000年ごろから劇的に変化した治療についてです。



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