コラム
2024年11月10日
先天性下腿偽関節症 その４ 最高難易度の疾患 手術編
こんにちは！
先天性下腿偽関節症の治療の続きです。
前回書いたように先天性下腿偽関節症では偽関節部の破骨細胞が異常に増えているため新しい骨がほとんど作れない状況にあります。
通常の骨折部位では骨芽細胞と破骨細胞がよい塩梅で働いて骨折部の古い骨を破骨細胞が吸収して骨芽細胞が新しい骨を作ります。
先天性下腿偽関節症では破骨細胞が骨芽細胞をはるかにうわまわり、新しい骨が全然できない状態です。
通常の骨折の手術では骨折部をまっすぐにして適切な固定をすれば患者自身の再生能力で骨が新生し骨がくっつきます。
偽関節の場合は時間が経っているため通常の骨折の手術では難しいです。
骨折部が時間の経過とともに骨を作る力がなくなっています。
普通の骨折の手術の様に骨を固定するだけでは新しい骨ができないです
一般的な偽関節手術は骨折部の不要な組織を除去して、偽関節部の隙間に体の他の場所から骨を取ってきて移植（骨移植）を行い金属の金具をつかって適切な固定を行います。
骨移植は一般的に腸骨という骨盤の張り出した部分から骨を取ってきます。
先天性下腿偽関節症では一般的な金具の固定と通常の骨移植ではほぼ骨がくっつかないです。
J Child Orthop. 2019より引用
BMC Muscl Disord.2015より引用
上図のようなかなり複雑な手術を一般的に行います。
次に具体的な手術について書きます。
