2024年11月3日
こんにちは!
小児整形外科で最高難易度の疾患の先天性下腿偽関節症の続きです。
前回先天性下腿偽関節症では偽関節部に破骨細胞が異常に増殖して新しい骨ができない状態になっていると書きました。
今回は治療について書きます。
通常よく歩く1-2歳ごろから偽関節がでてくることが多いと思います。
始めは骨が徐々に内側に曲がってくることが多いです。
はっきりとした偽関節よりも骨は連続しているが曲がってきます。
そのままにしていると徐々に偽関節が進行して脛骨、腓骨ともに骨が離れた状態になります。
偽関節部がそれぞれ尖ってきて脚の変形も強くなります。
治療はまずは装具治療が多いです。
体の大きさもありますし、手術が非常に難渋するためです。
膝下の装具を作って骨がより曲がってくることを防いで偽関節になるのを遅らせたり予防することを目的とします。
Ind J Plastic Surg.2012より引用
ただし完全な偽関節の予防は難しく、ほぼ手術は必要です。
手術時期を延ばすことや再発などでの手術回数を減らす目的がメインで装具治療が行われます。
最終的には手術が必要です。
手術も通常1回ではなく複数回行うことが多いです。
今までに書いたように偽関節部が骨をつくる能力が乏しいため偽関節の骨をくっつけるのは非常に困難です。
通常手術は曲がった骨をまっすぐにして適切な固定を行い、患者自身の新し骨を作る再生能力を利用して骨をくっつけます。
先天性下腿偽関節症では骨を作る能力が非常に乏しいため通常の手術治療は困難です。
通常下腿偽関節症専用の手術法が行われます。
次回に続きます。