2024年6月15日
こんにちは!
前回までに軟骨無形成症、軟骨低形成症について書きました。
今回は偽性軟骨無形成症について書きます。
偽性軟骨無形成症は四肢短縮型低身長、下肢の変形、短指、関節弛緩性などを特徴とする疾患です。
これらの特徴は軟骨無形成症と同じ特徴です。
名前の通り偽性、軟骨無形成症とは似ていても異なる疾患です。
原因遺伝子は軟骨低形成症と異なりCOMP (cartilage oligomeric matrix protein)という軟骨に関わる遺伝子変異です。
原因も異なるため軟骨無形成症や軟骨低形成症とは全く異なる疾患です。
発生頻度は軟骨無形成症よりももっと低い珍しい疾患です。
多くの特徴は類似してますが、異なる点が何点かあります。
・四肢短縮型の低身長 一般的に軟骨無形成症のお子さんよりも低身長と言われています。
・顔貌異常がない 特徴的な顔貌はみられません
・下肢変形が強い 軟骨無形成症に比べて偽性軟骨無形成症のお子さんでは下肢変形が強いです。
O脚変形はほぼ皆さんで見られ、関節の軟骨自体にも異常があるため成人した時の変形性関節発症のリスクは非常に高いです。
ざくっと書くとより低身長でO脚変形が強く、関節の軟骨の変形もあり年齢とともに関節軟骨も痛みやすい疾患です。
治療としては成長ホルモンやボソリチドは保険適応外です。
下肢の変形は骨切りの手術がよく行われています。
軟骨の変形もあるため将来痛みにくいようになるべく下肢はまっすぐにしておくためです。
一方で骨延長は積極的には行われません。
低身長なのですが、関節の軟骨が弱く大きく骨延長すると延長時の骨にかかる圧が高くて軟骨のダメージが大きいからです。
一般的には下肢のO脚変形を矯正するときに創外固定器を使って矯正しながら少しだけ骨延長することが多いです。
軟骨無形成症のお子さんで10cm延長するのに偽性軟骨無形成症では5cm位にすることが多いように思います。
以上軟骨無形成症に似ているが異なる疾患の偽性軟骨無形成症でした。