2023年6月11日
こんにちは!
症候性側弯症の治療の続きです。
治療の基本は装具と手術です。
特発性側弯症との違いは前回書きました。
装具治療は基本的に難しいことが多いです。
今回は手術治療について書きます。
前回書いたように手術は特発性側弯症に比べて難しく、合併症も多いです。
まず側弯の変形、Cobb角という角度も症候性側弯では非常に大きいことが多いです。
BMC Muscliskeletal Disorders 2021から引用
Cobb角が90度を越えることも多く、金属で固定する範囲も多いです。
さらに横からの前後の変形や回旋(捻じれ)の変形もあるため矯正が非常に難しいです。
そのため手術時間もながく、出血量も多くなる傾向があります。
さらに元の疾患があるため、栄養状態が悪い、心臓に病気がある、体・体重が小さいなど
健常なお子さんの特発性側弯症に比べて合併症が非常に多くなります。
手術の感染、出血、内臓の合併症などが該当します。
特に感染のリスクが高く、感染が一旦おこると折角いれた矯正している金属を抜去することもあります。
このように症候性側弯症の手術はリスクも高いため手術の基準も特発性側弯症とは異なります。
特発性側弯症ではCobb角が30~40度を越えると手術とされています。
症候性側弯症の通常は特発性側弯症の倍の80度以上が手術をする基準とされていることが多いです。
ただし症候性側弯症の手術は側弯の角度だけでなく
運動レベル(座れるか、立てるか、歩けるか)
合併症のリスク
をしっかりと考えてする必要があると思います。
続きます。