2023年5月21日
こんにちは!
思春期特発性側弯症の装具治療の続きです。
側弯症は成長期にの身長の伸びとともに進行します。
側弯症は女の子に多く、身長は小学校の間に主に大きく伸びて中学生になるとあまり伸びなくなります。
特に身長は初潮が前が大きく伸びると言われていて、側弯症も同様に初潮前に大きく進行することが多いです。
そのため装具治療では骨がまだ未熟でこれから大きく成長する前に装着して進行を予防することが大切です。
骨の成長度合いの指標として骨盤の骨端線(成長線)の形で判定するRisser sign(リーッサー サイン)というものがあります。
成長と共に骨端線が端から伸びてきて成長が終了するにつれて長くつながってきます。
JBJS am.2016より引用
上図は各種成長タイミングで装具治療をして側弯が6度以上進行しない、6度以上進行したが手術なし
手術をしたという度合いを示した表です。
Risser 0という骨が未成熟でこれからまだたくさん成長する時期に側弯が見つかり装具治療した人の44%が手術治療を行っています。
アメリカの報告なので手術する基準が日本よりも広く、日本よりも側弯症が手術になりやすい点はあります。
Risser 1,2で装具治療行っているお子さんが手術が少ないのはある程度成長してから見つかって
側弯のCobb角ももともと装具治療の範囲内の角度で収まっている人が多く、もとから側弯が
それほど進行しにくいお子さんが多いためだと思います。
骨が未成熟な小学生の側弯症のお子さんはアメリカのデータでは4割以上が手術になっています。
ただしこのデータでは装具治療もしっかりと長時間装着できているかわからないです。
日本人の方が真面目なので装具もしっかりと装着して、手術の基準も小さいため日本ではもう少し手術になる割合は少ないと思います。
早期に発見してしっかりと装具治療することが大切だと思います。