2023年4月23日
こんにちは!
思春期の特発性側弯症の続きです。
前回で特発性とは原因不明で、現在も思春期側弯症の原因は不明ですが一部解明されています。
遺伝因子+環境因子が報告され、いくつかの遺伝子の関連が解明されています。
今回は環境因子についてです。
日本人の先生が2017年に発表した論文が非常に興味深く注目されました(Watanabeら JBJS.2017)。
日本の2600人の側弯症の方を調査しています。
・カバンが重いと側弯になる?
これは外来でよく聞かれます!関係なしです!!
・勉強時間、睡眠時間、寝ている姿勢は側弯に関係ある?
関係なしです!
・未熟児に多い?
出産や妊娠中の母の喫煙も関係ないです。
・体重は? 太っていると多い?
BMI25以上の太っているお子さんでも側弯は増えません。
BMI 18.5以下のやせているお子さんが普通のお子さんの1.3倍側弯になりやすいです!
・スポーツは側弯に関係する?
サッカー、バトミントン、バスケットボールなどは関係なし。
バレエをしているお子さんが1.4倍側弯が多いです。
この論文ではやせているお子さん、バレエをしているお子さんが側弯になりやすいという結果でした。
特発性側弯はこのように遺伝子+環境の要素が関係して起こっています。
恐らく簡単なものでなく複雑に要因が重なっていると思います。
遺伝子をもっているから必ず側弯になるわけでもなく、環境因子があるから必ずなるわけでないです。
次回 やせた女の子にバレエさせてはだめか? について個人的な意見を書きます。