2023年6月7日
こんにちは!
先天性側弯症の続きです。
先天性側弯症は特発性側弯症とは全く異なり珍しい背骨の先天的な形の異常が原因です。
先天性側弯は生まれたときから背骨が曲がっています。
特発性側弯症は成長している間に曲がってくるもので、一般的に6歳未満の特発性側弯症は少ないです。
先天性側弯は骨の形の異常と生まれた時から曲がっているため成長により悪化する場合が多いです。
手術ができないくらい就学前の小さなときはギプスの矯正や装具治療が行われますが、手術を回避するというよりは
手術までのつなぎというイメージです。
特発性側弯症ほど装具による進行予防効果は期待できないと考えられています。
さらに先天性側弯は進行が強い場合があるため成長が落ち着いてから手術するのではなく
成長期に手術することが多いです。
成長期に手術をする場合はボルトとロッドで背骨を固定してしまうと背が伸びなくなるため
固定する金具自体も伸びるような設計がされています。
EFORT Open Review 2020より引用
写真のように棒状のロッドが伸びるgrowing rod(グローイング ロッド:成長するロッド)が昔から有名です。
International journal of Orthopedics 2021より引用
背骨と肋骨がつながっていることを利用して肋骨にロッドをかけるVEPTER法(ベプター法)
近年ではgrowing rodの原理を応用したShilla法(シーラ法)もよく行われています。
・ただし成長と共に複数回の手術が必要
・合併症が他の手術より多い
・手術できる病院が全国でも限られる
などの諸問題もあります。
先天性側弯症は患者数も特発性側弯症に比べて非常に少なく治療経験のある先生も少ないです。
治療に関しては治療経験のある先生とよく相談して決めるのが良いと思います。