2023年2月19日
こんにちは!
体外衝撃波治療の続きです。
前回体外衝撃波の作用は2つと書きました。
・組織の修復
・痛みを感じる神経破壊
組織の修復については前回書きました。
今回は痛みを感じる神経の破壊についてです。
体外衝撃波には組織の修復と同時に痛みを和らげる作用もあります。
その作用機序としては神経終末という部分に体外衝撃波が破壊的な効果を持つと報告されています。
日本人の先生が論文に発表された作用機序がなかなか面白い感じです。
神経終末とは神経の細胞から伸びた突起の先端部分です。
神経の細胞からの信号(神経伝達物質)を出す部分で痛みなどを感じる大切な部分です。
体外衝撃波は神経終末をある程度破壊します。
大切なのは「ある程度」という部分です。
破壊が強いと神経が傷んでしびれや動きが悪くなりますが、神経の流れに影響しない程度で
神経終末に破壊的な作用があると報告されています。
そのため痛みだけが改善して動きにくくなるなどの運動障害は起こらない非常に具合のよい機械とされています。
ただし痙縮といって通常よりも神経が高ぶっている状態には体外衝撃波は神経の流れに影響します。
痙縮には神経の高ぶりを下げて筋肉の緊張を下げる効果あります。
痙縮は脳卒中、脊髄損傷、脳性麻痺などの患者さんによく診られ、力が入りすぎて関節が自由に動かなくなっている状態です。
痛みには動きを妨げないように作用して、神経が高ぶっている痙縮には動きすぎを抑えるという
なんとも都合のよい作用が報告されています。
勿論衝撃波は出力の程度でエネルギーが変わるので適切なエネルギーを照射した場合の話です。
このような作用は超音波にはなく衝撃波が従来と全く異なる治療機器と言われる所以です。