2023年2月12日
こんにちは!
今回は体外衝撃波という比較的新しい治療についてです。
近年使用頻度も広がり、今注目の治療方法の1つです。
体外衝撃波は音速を越えて伝わる圧力波です。
ジェット機がブーンと発進するときに発生する衝撃のことです。
衝撃波は1つの大きな波でエネルギーが伝わります。
超音波はたくさんの波でエネルギーが伝わります(下図)。
超音波に比べて衝撃波はより体の深くまで到達でき、たくさん照射しても熱を発生しない特徴があります。
超音波は体表にしか届かないのに対して体外衝撃波は5cmくらいの深さまで届きます。
イメージとしては体外衝撃波は超音波に比べてかなりエネルギーが強く、深いところまで効きます。
体外衝撃波は1980年代に腎臓の石(腎臓結石)を破砕する装置として開発され、日本でも腎臓や尿管の石を
くだくのに使われてきました。
整形外科分野では2012年に足底腱膜炎に対して保険適応となりました。
整形外科で使っているのは腎臓の石を砕く装置の1/10のエネルギーに調節した専用の機械です。
残念ながら健康保険で認められているのは難治性足底腱膜炎だけです。
普通の治療をおこなっても良くならない足底腱膜炎(足裏の筋肉の炎症)だけ保険を使って治療可能です。
それ以外は自費診療になってしまいます。
以前より整形外科では超音波を治療として様々な分野に使ってきました。
・筋肉や腱の炎症を抑える
・骨折の治りをよくする
体外衝撃波は超音波よりもより強い効果があり、超音波にない効能があることがわかり
最近では様々な疾患に使われてきています。
特にスポーツ障害の分野ではアスリートでは標準的な治療になってきています。
ちなみに私は体外衝撃波かなり好きな機器です。
日本で一般的になる前のかなり初期から色々な研究などをしてきました。
次回体外衝撃波の細かなこと書いていきます。