2022年4月3日
こんにちは!
二分脊椎の麻痺の程度の軽い仙髄レベルの話です。
第5腰髄レベルの話をします。下のSharrad分類のIV群に該当します。
上の表のL5(LはLumbar:腰椎の略)に該当して実用的歩行、装具なしでの歩行も可能となっています。
ざくっと書くとIV群はIII群に比べて膝、股関節がかなりしっかりとしていて足首も少し動き出している状態です。
III群に比べて前脛骨筋(足首を上にあげる筋肉)、後脛骨筋(足首を下にあげる筋肉)が働くため足首がぐらぐらの状態ではなくなり、少ししっかりとします。
加えて大腿筋膜張筋(太もも外側の筋肉)、ハムストリングス(半膜様筋、半腱様筋という太ももの裏の膝をま曲げる筋肉)が働き出します。
これらの筋肉は股関節、膝関節の安定に重要な筋肉で、体重をかけた際により脚全体が安定します。
股関節脱臼は通常このレベルのお子さんでは起こらないです。
生まれたときの内反足は頻度がさがりますが起こることがあります。
ただし足首の筋肉は一部のが働いているだけなので、歩行する際に短下肢装具が一般的に必要です。
足首が弱く上にあげられる程度のお子さんが多いです。
仙髄レベルになると足首はかなり強く上にあげられるようになります。
足首を下に強くけりだせないので家の中の歩行程度は装具なしでも可能ですが、屋外は短下肢装具が必要です。
短下肢装具も支柱付き短下肢装具、グランシーなど様々な装具が使われています。
グランシーという装具 足首が上にだけあがり突進歩行するお子さんに適した装具
プレーリーファクトリ―さんのHPから拝借(当院ともお付き合いのある装具屋さんです)
短下肢装具については後日別で書きます。
私は小さなお子さんはSBL、シャーレと言われるシンプルな形にして学校に行くくらいなればシャーレ・グランシー+靴型装具にすることが多いです。
ただしあまりに小さなお子さんではIII群、IV群、V群診断がはっきりしないことも多いです。
III群だと思っていてもIV群の時もありますし、IV群と思っていてもV群の時のあります。
2,3歳位までは当初思っていた麻痺レベルと違うことがあります。
小さいときは診察室では泣いてますし、赤ちゃん自体が筋肉が弱くてわかりにくいことも多いです。
IV群は以上です。