2022年4月10日
こんにちは!
二分脊椎の最も麻痺の程度の軽い仙髄レベルの話です。
Sharrad分類V群は装具なしとありますが、実際は装具は必要な場合が多いです。
家の中では装具なしでもあるけますが、屋外は何らかの装具つかっている人が多いです。
第1,2仙髄では主に股関節、膝関節は正常に働きます。そのため歩行機能は非常に良好です。
症状としては足首から先に現れます。
足首、足の指を上に伸ばす筋肉は働きますが、下に曲げる筋肉が働かないまたは弱いです。
そのため足首は下に動かす方に固くなり上向き傾向が強くなります。踵足といわれる状態です。
私達は歩く際に足首を下に動かして地面をけり上げて歩きます。
踵足では蹴り上げる力がないため、踵だけで体重をかけてドタドタ歩きになります。
やや歩行が不安定ですので、屋外の歩行では装具を使うことが多いです。
プレーリーファクトリーさんのHpから拝借
グランシーという装具は足首が上に行き過ぎて突進する形の歩行を抑えることが可能です。
主に二分脊椎の仙髄レベルのお子さんに使われます。
7th seedさんのHpから拝借
私は靴型装具を好んで使います。
仙髄レベルのお子さんは走ることもできます。
ただし足部は年齢と共に硬くなり、プラスチック製の装具や市販の靴では褥瘡(とこずれ)がよく起こります。
二分脊椎の影響で足の部分の感覚が弱いため通常の軽い褥瘡ではなく、ひどい傷ができることが多いです。
骨が見えるほど傷が深くても痛くなくて、装具をつけて歩き続けていることもあります。
そのため私は学校へ行く年齢以降ではより足にフィットして傷ができにくい靴型装具をよく使います。
仙髄レベルのお子さんは股関節脱臼、内反足の合併もなく、麻痺の程度がかるため手術必要と思われている方が多いです。
実は意外と手術が必要なお子さんが多いです。
運動レベルが高いため、足の少しの変形が将来の褥瘡の原因になりやすいためです。
中学生、高校生で変形ができていていれば社会人になる前に足部の形の矯正手術を強く勧めます。
社会人になってから足部の変形から装具内で傷ができて治らなくて化膿止めの点滴で入院している方もいます。
仙髄レベルのお子さんは走れますが、足の変形に対しては走れているから大丈夫と思わないようにしてください。
装具を足の形に合わせて作れば良いですが、変形がある足は年単位で徐々に変形が悪くなってきます。
社会人になる前に形を整える骨の手術が必要な方は是非手術を受けてください!
社会人になってから手術必要と説明しても仕事が・・・などで手術できないと言われることがほとんどです。
以上意外と手術が必要な麻痺の一番軽い仙髄レベルの話でした。