2021年5月6日
こんにちは!
赤ちゃんの股関節脱臼の最終章です。
日本ではお住いの保健センターで乳児健康診査という健診が行われています。
3,4カ月の時の健診では股関節脱臼の疑いで病院に紹介されることが多いです。
前にも書きましたが、私自身は健診で股関節脱臼疑いとされた赤ちゃんを1年に200人以上診察してきました。
実際に健診から本当に股関節に異常のあった赤ちゃんは年に2-3人ですので残りの97-98%の方は全く正常です。
個人的な経験ですが
こんな順番で多いと思います。
1.大腿の皺はほとんどが単なる肉付きの違い、本当の股関節脱臼の赤ちゃんは鼠径部(股の付け根)のキワの皺が多いです。
2.股関節が硬い赤ちゃんの多くは向き癖があってその反対側の股関節が硬いです。
生後6カ月位で寝返りをしっかりしだすと向き癖も治って股関節も自然と柔らかくなります。
あと小さい時から足をよくつっぱっていて足の力が強い赤ちゃんはやや股関節が硬めです。
3.脚長差は下の図の左の様に普通に足をまっすぐにして踵の位置の左右の違いでみていることが多いです。
赤ちゃんは寸胴なので右図のようにしっかりと膝立をして膝頭の位置の左右差でみる必要があります。
健診で脚長差と書かれていてほとんどの赤ちゃんは実際脚長差はなかったです。
ただしキチンと膝立して明らかに左右差があった場合はほぼ股関節脱臼だと思います(股関節を90度以上曲げて膝立することが大切だと思います)。
色々書きましたが、たとえ股関節脱臼があったとしても現在の治療は以前より格段に良くなっています。
みんな走り回っていますし、正常と変わらないきれいな股関節に治っている方が多いです!
必要以上に心配しないようにしてください。
出典:院長の経験と個人的な意見