コラム

2023年1月8日

ダウン症候群について 首の骨のゆるさ(環軸椎亜脱臼)その2


こんにちは!

ダウン症候群のお子さんの環軸椎亜脱臼の続きです。

 

7つある首の骨(頸椎)の1番、2番がずれます。

特に首を前に曲げたとき(前屈)に骨が動いて神経が圧迫されます。

bの図表が前屈した時  Pediatric Radiology.2014から引用

第1頸椎(環椎)が前に動いて後ろの脊髄が通るスペースが小さくなります。

 

神経が圧迫された症状は

・手足のしびれ

・手の細かな動きができなくなる

・脚がうまく動かなくなる

などの症状が出現します。

しかし就学前のダウン症候群のお子さんは発達の遅れもあって

歩いていても不安定、お箸をもったり字を書いたりする器用さが乏しいことが多いです。

しびれは神経発達の未熟な就学前のおこさんには通常感じることができません。

神経症状がでても周りから見ていても見つけにくいです

自分でも症状が言えないお子さんがほとんどです。

そのため就学前のお子さんは整形外科で定期的に頸椎の(6か月か1年に1回)レントゲン検査を行います。

就学後も首の不安定性がでることはありますが、成長に伴い症状がまわりからわかりやすくなるため

定期的なレントゲン検査は通常就学前まで続けます。

 

実際診察している首の環軸椎亜脱臼が軽度みられるお子さんは多いです。

悪化すると手術で頸椎の骨をボルトで固定する必要がありますが、手術になるお子さんはわずかです。

不安定性があるお子さんもある程度で安定してきて経過観察のみで問題なくすごすことが可能です。

 

次回はダウン症候群のお子さんの首の運動の注意について書きます。

 



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