2022年12月25日
こんにちは!
ダウン症候群の続きです。
整形外科的には関節の緩さが問題になります。
具体的には首の骨(頸椎)と足が問題になることが多いです。
まずは頸椎です。
首の骨の緩さが10-30%のお子さんに見られます。
頸椎は7個ありますが、その一番上2つが緩いことがあります。
第1頸椎を環椎(輪っかの形の骨)、第2頸椎を軸椎(軸の様な突起のある骨)と呼びます。
環椎と軸椎の間でぐらぐらするため「環軸椎亜脱臼」や「環軸椎不安定性」と病名が付きます。
Bone and Joint journal 2016. 日本の神奈川県のこども病院勤務の中村先生の論文から引用
左が通常の頸椎のよこから見たレントゲン。
右が環軸椎亜脱臼。C1(cervical 1 : 第1頸椎、環椎)と書かれた骨が前に動いていて
矢印のスペースが小さくなっています。
矢印のスペースが首の神経が通るエリアであり、環軸椎亜脱臼があると首の神経が圧迫されます。
首の神経が圧迫されると大人なら手足のしびれ、動かしにくい、細かな動きができない(字を書いたり、ボタンをしめたり)
などの症状があります。
しかしダウン症候群のお子さんはもともと不器用で合ったり、歩くたりしゃべったりすることが遅いので
就学前のお子さんの症状はわかりにくいです。
加えて首の一番上の神経は呼吸をする筋肉も支配しています。
環軸椎亜脱臼は呼吸の障害も出現する可能性があります。
そのため特に就学前のお子さんに環軸椎亜脱臼を見つけることが重要です!
次に続きます。