2023年8月27日
こんにちは!
疲労骨折の続きです。
疲労骨折は早期にMRIなどで診断して運動を制限することが大切と書きました。
通常少なくとも1-2か月は運動制限が必要です。
では治療としては運動制限のみでしょうか?
毎日のように運動を頑張っているお子さんに疲労骨折が起こるため少しでも早く運動復帰を目指したいところです。
運動復帰を早める方法は以下になるかと思います。
・超音波
・体外衝撃波
・手術
超音波、体外衝撃波については以前に骨折、偽関節のコラムで書きました。
ともに骨折の治癒を早める効果があります。
超音波は弱いエネルギーで、体外衝撃波は強いエネルギーです。
ただしどちらも健康保険の適応外になっているため自費診療となります。
手術は部位によっては勧められます。
そのまま安静でも治ることが多いですが、部位によっては治りにくく時間がかかるためスポーツ復帰を優先して手術が行われます。
代表がジョーンズ骨折(Jones fracture)、第5中足骨の疲労骨折です。
Am J Sports Med.2011より引用
足の小指の付けの骨が疲労骨折を起こしています。この場所は骨折が治りにくく、偽関節という骨がくっつかない可能性もあります。
そのためアスリートでは積極的に早期に手術を行います。
1本のスクリューで骨を固定して早期に足を動かしたり骨がつっくきやすくなるようにします。
図はやや古めのスクリュウーで最近ではハーバートスクリューというスクリューでより強固に固定します。
骨折は固定力が強いと治りやすく、固定力が弱いとくっつかないことがあります。
さらに骨でしっかりと固定するとギプスによる固定期間が短くなり、関節が硬くなったり筋力が落ちることを予防できます。
疲労骨折はまとめると適切に診断して運動制限して、なるべく早く運動復帰できるように場合より手術も含めた選択が必要です。
以上疲労骨折でした。