2024年5月5日
こんにちは!
以前より診療していてよく聞かれて皆さんの認識違いも多いためシップ・湿布について書きます。
シップは外用の鎮痛消炎薬と呼ばれる薬品です。
シップの主成分はサリチル酸メチルまたはサリチル酸グリコールです。
末梢神経に働き痛みの感覚を改善することと、末梢の血管を広げて血流をよくする効果があります。
飲み薬が胃から吸収されて血管を通って全身に薬がいきわたるのに対してシップでは皮膚から吸収されて主にシップを貼った周囲の組織に薬が働きます。
よく「シップは効果あるのでしょうか?」「シップはきやすめ?」と聞かれます。
私の意見としてはシップは効果あると思います。
論文でも飲み薬とシップで効果比較したものがあります。
膝に対して飲み薬とシップで皮下組織などの組織の有効成分の濃度を比較するとシップの方が高かったと報告されています。
飲み薬は全身にいきわたるのに対して、シップは局所から吸収されるためその部分の薬の濃度は高くなります。
シップが効かないとよく言われるのは薬の効果を把握していないためだと思います。
消炎鎮痛薬、炎症と痛みをとる薬です。
痛みを感じにくくして血流をよくする薬です。
ロキソニンなどの飲み薬も同じですが、痛みを改善する薬なので根本を治す薬ではないです。
変形性関節症などの痛みに対して飲み薬やシップでは一時的に痛みは改善するも根本の関節の状態は変わっていないため痛みは持続します。
それがシップを貼っても気休めと言われる由縁です。
しかし痛みは嫌なので痛みを改善するためにシップを使うのは理にかなっています。
色々な部分に痛みがある場合や神経痛などはシップでは難しいですが、飲み薬では胃が荒れたり腎臓に悪影響があります。
一方でシップは皮膚かぶれ位で大きな副作用はないので使いやすいです。
痛みは気合で我慢するから根本を治す薬以外は不要という方にはロキソニンなどの飲み薬やシップは不要だと思います。
私個人は筋トレや運動後の痛みに対しては自分でもシップを使うことがあります。
痛みがあっても運動などを続けて行いたいため、シップを使っています。
まとめるとシップは効果あると思います。
ただしシップとは主に痛みを改善する薬で根本を治すものではないという認識が必要だと思います。