2023年11月19日
こんにちは!
骨端線損傷の続きです。
骨端線損傷が生じた場合の治療について前回単純に短くなった場合について書きました。
多くの場合は骨端線損傷は成長軟骨の一部に生じるため短くなるだけでなく骨が曲がってきます。
部分的に生じた骨端線損傷は従来の軟骨でなく骨に置き換わります。
本来骨が伸びる部分である軟骨が骨に置き換わることでその部分の骨の成長ができなくなります。
Acta Orthop 2009より引用
上は骨端線損傷後に線状の成長軟骨が黒い骨の組織に置き換わっているMRI画像です。
骨性架橋といわれる状況で、軟骨が骨にかわってその部分が全く成長できなくなります。
治療は曲がりがまだ少ない時点では骨性架橋を切除する手術を行い、その部分の骨が伸びるようにします。
Langenskiöld法(ランゲンスキオルド法)と呼ばれる手術です。
BMC Musclosk Disord 2023より引用
手術は全身麻酔で行われます。
骨端線の一部の骨性架橋だけを削り、再度骨にならないように自分の脂肪や医療材料を詰めて骨に置き換わらないようにします。
ただし一部の骨性架橋だけを正確に削るのは難しいです。
削り残すと骨が成長しないので多めに削りがちです。
多めに削ると正常な成長軟骨も傷つけてしまい、手術後の骨の成長が悪くなります。
そのため最近では内視鏡を骨の中に入れて細いカメラで骨性架橋を確認しながら切除する手術が増えています。
骨髄鏡による切除と呼ばれています。
非常に優れた手術だと思います。
骨性架橋切除しても骨の曲がりが強い時別の手術も行います。
次に続きます。