2023年11月19日
こんにちは!
お子さんの成長線の骨折、骨端線損傷の続きです。
骨端線という成長する軟骨部分(成長軟骨)で怪我が生じると場合によりその後の成長障害が生じます。
損傷した部分がうまく成長できなくなってしまい、骨が短くなったり曲がったりします。
Orthopaedics 2017より引用
多くの場合は部分的に成長できなくなり骨が短くなって曲がるという少し複雑な変形が起こります。
怪我をしてから徐々に変形がでるため数カ月してから判明することがほとんどです。
基本的には怪我をした時点では成長障害がおこるかどうかはわからないです。
ただし怪我、骨折の仕方で成長障害の起こる可能性の違いはわかっています。
上図はSalter-Harris分類(ソルター・ハリス分類)という骨端線損傷の分類です。
type1から5まで分類され、数字が多くなるほど骨端線損傷後の成長障害のリスクが高くなります。
ざくっと言うとtype3以降で成長障害が起こりやすくなります。
色々な報告がありますが、type3以降では30-40%以上の確率で成長障害が生じると言われています。
骨の端の方に骨折線が入る骨端線損傷がより成長障害が生じます。
ちなみにtype5は圧挫といわれる骨折で骨端線に強い圧迫するような圧がかかり損傷するタイプです。
そのため骨端線損傷が生じた後はしばらく成長障害が生じないか経過観察する必要があります。
特にtype3以降では定期的に受診して早めに診断する方が良いと思います。
治療については次回書きます。