2023年11月12日
こんにちは!
今回は成長期のお子さんの骨折の1つ 骨端線損傷について書きます。
成長期のお子さんは骨の端に骨端線という成長線が存在します。
骨の端の間の空いている部分が骨端線です。
成長軟骨とも呼ばれ、骨が伸びる部分で軟骨でできているためやわらかくレントゲンで写らない部分です。
膝のレントゲンですが、お子さんと大人では全く見え方が異なります。
骨端線がそれぞれの骨にありレントゲンですきまのように見えます。
お子さんの骨折では骨端線の周囲で骨折が起こることも多いです。
骨端線が軟骨のため強度的に弱い場所であり骨折しやすいです。
骨端線での骨折を骨端線損傷と呼びます。
J Radiol. 2010より引用
上図は骨端線損傷の有名なSalter-Harris分類(ソルター・ハリス分類)です。
骨端線損傷も通常の骨折と同じようにギプス固定や骨折部のズレがある場合は手術で形を治します。
通常の骨折と同じように時間と共に骨、軟骨が再生して骨がくっつきます。
骨端線損傷の最大の問題点は成長する軟骨部分が骨折による損傷後に元通り治らない場合があることです。
元通りに治らないかった場合に、その後の骨の成長が障害されます。骨端線損傷後の成長障害と呼ばれます。
普通の骨に比べて軟骨は損傷後の再生が悪いと言われています。
再生能力の旺盛なお子さんでも軟骨の再生がうまくいかないことは多々あります。
上図のは脛骨(スネの骨)の骨端線損傷後に脛骨がまっすぐに伸びなくなり曲がってしまった状態です。
骨端線損傷後には単純に骨が伸びずに短くなったり、骨端線の一部だけが成長障害がでて骨が曲がったりします。
長くなるので次に続きます。