2024年8月17日
こんにちは!
良性の骨腫瘍の骨軟骨腫の続きです。
以前に良性の骨腫瘍である骨軟骨腫が悪性化することがあると書きました。
今回は悪性化について書きます。
骨軟骨腫は良性の骨腫瘍ですが、悪性に変化(悪性化)することがあります。
骨軟骨腫から軟骨肉腫(軟骨の悪性腫瘍、癌のようなもの)に変化することがあります。
悪性化する確率は7%ー30%台と様々な報告があり明確にはわかっていないです。
子供の時期には通常悪性化は起こらずに、大人、通常30歳以降で起こると言われています。
Int J Anat Radiol Surg.2015より引用
悪性化すると腫瘤が急速に大きくなります。
悪性化は四肢、手足では起こりにくく骨盤などの体幹で起こりやすいと言われています。
EFORT open reviews. 2020より引用
悪性化が起こればすぐに切除する必要があります。
そのため単発性の骨軟骨腫では切除を勧められることが多いです。
ただし手足では悪性化は稀なので経過観察も可能です。
多発性ではすべてを切除するのは難しく、骨盤の腫瘍などはもともと小さな腫瘍が点在しています。
そのため予防的に切除することが困難です。
患者本人が将来的に悪性化することを認知して、体の一部でふくらみが出てきたらすぐに病院を受診する意識が重要です。
多発性骨軟骨腫のお子さんは定期的に病院に受診されますが、成人になると仕事や家庭などで受診が途絶えることが多いです。
お子さんがある程度大きくなった時に将来の悪性化について説明して本人が認識するように説明することが重要です。
私も大学病院の時はお子さんが高校生か大学生になったときにはそのような説明を本人に説明するようにしていました。
悪性化しても早めに切除すれば再発しないこともあり、早期発見、早期治療が重要です。
以上、骨軟骨腫の悪性化でした。