2024年8月13日
こんにちは!
今回から骨腫瘍シリーズです。
整形外科で腫瘍?あまり聞かないと思いますが、骨腫瘍はそこそこあります。
今回は良性の骨腫瘍の中で骨軟骨腫について書きます。
骨軟骨腫は良性骨腫瘍で最も多く、欧米の報告では5万人に1人の発生頻度と言われていますが、症状が乏しく見つかっていない例も多いため正確な頻度は不明です。
骨軟骨腫は正常な骨髄と連続して骨と軟骨の塊が腫瘍として発生する骨腫瘍です。
骨の成長線の近くに角のような特徴的な腫瘤ができ、別名外骨腫と言われています。
J Surg Case Rep.2019から引用
XPでは角のような骨の突起があり、MRIKで突起の上に白い軟骨がのっています。
骨の上に軟骨がのっているのが特徴で、成長期のお子さんでは軟骨部分で普通の骨と同様に成長します。
そのため成長期では腫瘍自体も大きくなります。
大腿骨、脛骨、腓骨といった下肢に比較的多く、膝回り、足首周りにできることが多いです。
上肢では肩や手首の周囲にできます。
1つだけ発生する単発性と体に多数発生する多発性があります。
単発性は原因不明です。
多発性は原因遺伝子が判明していて、EXT1、EXT2の2つの遺伝子異常がわかっています。
EXT1,2は軟骨分化に関わっていて、遺伝子異常で異常な軟骨形成、軟骨性骨形成が起こります。
遺伝子形式は常染色体優性遺伝で親が遺伝子を持っているとお子さんは1/2の確率で発症します。
症状や治療などは次に書きます。