コラム

2025年2月16日

お子さんの腕が急に痛くて動かない!骨折しているのに整復操作!?診察が重要 肘内障 その6


こんにちは!

意外と難しい疾患の肘内障の続きです。

前回転倒の際の骨折(ひび)と肘内障の区別が難しく、とりあえずレントゲンみたいな医師も多いと書きました。

一番ひどいのは転倒だから骨折の可能性ということでレントゲンだけ撮って異常なしと診断して帰すパターンです。

 

お子さんは痛みの正確な場所や症状を伝えることが多いためまずは診察が必要です。

転倒の場合は骨折と肘内障の両方の可能性があります。

 

まずは痛みの場所を見つけることが重症です。

手首が痛いと本人が指さしていても実際は肘が悪いことは多々あります。

小さなお子さんは感覚が未熟で正確な場所を伝えることが難しいです。

しかも多くのお子さんが痛みがある状態で予防接種などで痛い思いをしている病院に行く時点で泣いている場合が多いです。

泣いていても、痛い場所は動かしたり押したりするとわかります。

この場合は骨折では肘の上腕骨の肘周りが多くて、肘内障は橈骨の肘周り痛が多いなのでよく診察するとある程度分かります。

肘周りが見た目に腫れていた場合は骨折の診断で良いですが、お子さんは小さなひびが多くもともと腕もムチムチなため

腫れがわかりにくいです。

ただし激しく号泣しているお子さんの場合は判別困難な場合があります。

その場合はレントゲン撮影することがありますが、私はまずは超音波を行います。

肘内障も前例ではないですが超音波で診断可能で、骨折の場合は高確率で超音波で判断可能です。

特に骨折の場合は骨折の周りに血種(血のかたまり)が肘が腫れてなくても見られるためある程度骨折か肘内障か判別可能です。

 

このように診察して骨折疑いならレントゲン、肘内障なら痛がりますが整復操作を行います。

できるだけ不必要な痛みを与えないように骨折か肘内障かある程度診察で判断することが重要だと思います!

 



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