コラム

2025年2月9日

お子さんの腕が急に痛くて動かない! 実は骨折している場合も!? 肘内障 その4


こんにちは!

肘内障の続きです。

通常は秒で脱臼を整復できて痛みも取れる疾患です。

しかし稀に非常に診断、治療に難渋する場合があります。

以下の2つの場合があります。

1.整復困難な場合

2.骨折か判別できない場合

 

今回は2.骨折か判別できない場合について書きます。

肘内障は6歳未満のお子さんにも起こり、2歳前後のお子さんに多く見られます

小さなお子さんのため、肘内障になってもまずどこが痛いか言えない場合が多いです。

症状としては腕を使わなくなったが最も多いです。

典型的な手を繋いでいて腕を引っ張って受傷した場合は肘内障の可能性が非常に高いので診断は容易です。

転倒して腕を痛がっている場合が非常に悩ましいです。

肘内障は腕を引っ張って起こると思われていますが、実は転倒した場合にもよく起こります

しかし転倒した場合には骨折の可能性もあります。

しかも小さいお子さんの転倒による骨折では肘の骨折が最も多いです。

骨折では通常患部が腫れるため、その場合はわかりやすいです。

ちかし小さなお子さんでは完全な骨折ではなく俗称「ひび」と言われる小さな骨折が多くみられます。

ひびの場合ではケガをした当日ではほとんど患部が腫れていないこともあります。

 

よくお子さんのケガで受傷された際にご両親が腫れてないので骨折ではないと思うと言われますが、小さなお子さんではそうは言えないです。

 

骨折と肘内障では痛みも場所も同じで判別が非常に難しい場合があります。

骨折の際に肘内障と思って整復操作をするとお子さんに不必要な痛い思いをさせていしまいます

しかも骨折の場合は何度整復操作をしても整復されずに長時間痛みを与えることにもなりかねないです。

骨折の場合の整復操作は拷問のような状態です・・・。かなり痛いです・・・。

 

このような場合に大切なのは患部をしっかりと診察することです。

外傷で肘内障なら整復操作を頑張って良いですが、ひびとの鑑別が非常に重要です。

小さなお子さんは自分で伝えてくれないためしっかりと診察されていない場合があります。

残念ながら当院に2,3件目に来られる場合には診察が不十分で適切な診断されていない場合が多いです。

次に実際の例も含めて書きます。

 

 

 



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