2022年2月6日
こんにちは!
今回は肘内障についてです。
非常に頻度が多く、多くのお子さんが経験する怪我です。
ちなみに私も自分の子供の手を強く引っ張って肘内障になって痛がり、奥さんに見つからないうちに整復したことがありました。
肘内障は腕の骨の親指側の橈骨という骨の肘の付け根の部分が靭帯(輪状靭帯)から外れる怪我です。
一般的な脱臼の関節が大きくずれるものを大きく異なり、小さく靭帯から外れます。
日本整形外科学会HPから拝借
上の図のような感じなので見た目は腫れたりしません。
腕を真っすぐ引っ張った時に起こりやすく、小学校前のお子さんに起こります。
小さいお子さんは概ね関節、靭帯も緩いので起こると考えられてきて成長と共に起こらなくなります。
繰り返すお子さんは10回以上経験しますが、何度なっても後遺症もなく将来に全く影響ありませんので心配しないでください。
症状は急に腕を痛がります。通常外れた側の腕を上げられなくなり、だいたい肘を曲げたまま動かさなくなります。
痛みは強く泣いて受診されるお子さんが多いです。
小さなお子さんはまだ痛みの場所を細かく感じられないので手首や肩が痛いという事もあります。
「肩が外れたので診察してください」と受診される方も居ます。
就学前のお子さんの肩の脱臼は非常にまれです。もともと関節も非常に和らなく脱臼する前に骨折します。
診断は非常に簡単です。
打撲がない、肘が腫れていないをまず確認します。
肘を曲げて手のひらを上に向けられなくなっています(回外という動作ができない)。
手のひらを上、下に動かす回外、回内という動作は腕(前腕、肘から先)の2本の橈骨、尺骨という骨がバランスよく動いて行われます。
肘内障では橈骨(親指側の骨)の位置が少しだけ悪くなるので、回外という動作が制限されます。
治療ですが、一般的に簡単に脱臼を治すことができると言われています。
実際多くの場合に非常に簡単です。腕の回外か回内を強くすると簡単に治ることが多いです。
ただし中には治すのが非常に難しいお子さんや肘内障と思われていて実は違ったお子さんも居ます。
長くなってきたので次回に実は難しい肘内障について書きます。