2024年12月7日
こんにちは。
爪甲鉤彎症(そうこうこうわんしょう)の続きです。
前回爪甲鉤彎症は外傷後や靴がきつくて爪がまっすぐ伸びる状況が邪魔されるため爪が肥厚して変形すると書きました。
今回は治療について書きます。
爪は基本的にまっすぐに伸びようとします。
爪には爪母と言われる根元の部分に爪を伸ばす元ととなる細胞があり、爪母からまっすぐに伸びていきます。
何らかの理由で爪がまっすぐ伸びる方向に邪魔をするものがあると爪が伸びれなくなり肥厚して曲がります。
治療としてはまずは曲がって肥厚した爪を可能な範囲で削ってまっすぐな薄い爪にします。
爪をいったん元のような形にしないと先の部分が爪が伸びるのを邪魔して変形は治らないです。
爪を削るのは通常グラインダーという機械をつかって削ります。
ニッパーやヤスリでもなんとか可能ですが、きれいに掘削することが難しいです。
ペディグラスさんHpから拝借
当院では上記のような機械とドリルビットを数種類つかって爪を表面から削っていきます。
上図くらいに削っていきます。
爪の変形が強すぎる場合は爪を一旦すべて取ってしまうこともあります(その場合は通常麻酔をしてとります)。
このあとに爪を通常の方向に伸ばしていくのですが、爪が短い状態だと指の先端のお肉が盛り上がっています。
盛り上がったお肉が爪が伸びるのを邪魔するため爪が伸びるまでテーピングを毎日行ってもらいます。
写真では爪先から横まで全周性にテーピングしていますが、お肉のふくらみかたによります。
少なくとも指先のお肉を抑える方向にテーピングは必要です。
テーピングのテープは普通のテープでは強度が足らないため当院では通常シアテープというテープを使っています。
Amazonなどで200円以下で買える安価なテープですが、粘着力と弾性の強いテープです。
このように爪甲鉤彎症では一旦肥厚と変形した爪を掘削してできるだけ通常の形に戻します。
そのあとで爪が伸びるときにお肉が邪魔しないように毎日テーピングをして爪がまっすぐ伸びるようにします。
伸びる途中で変形が再度する場合はもう一度爪を削って伸ばしていきます。
一旦爪が伸びると先端のお肉は爪に押されるのでテーピングも不要になります。
群馬巻き爪ケアセンター 浅香先生の画像を拝借しています。
1,2か月できれいな爪になる人や数か月、1年程度要する場合もあります。
以上爪甲鉤彎症の治療でした。