コラム

2022年2月27日

小さなお子さんの骨折の診断は難しい!すぐに診断できない骨折も多い!


こんにちは!

小さなお子さんの骨折の診断は難しいという話の続きです。

 

まずは小さなお子さんで頻度の高い肘の骨折です。上腕骨顆上骨折という骨折です。

下は典型例です。

赤印の骨折線がはっきりとしていて簡単に診断できます。

 

では次のレントゲンはどうでしょうか?

専門の医師が見たら怪しい?くらいで怪我直後ではレントゲンで骨折と確定診断できません。

骨折を疑ったのでギプスシーネ(ギプスの半分)で固定すると怪我をして2週間から矢印の仮骨が見られました。

仮骨とは骨折が治る途中にできるうっすらとした骨で大人なら骨折して4週間程度は仮骨が現れるのに時間がかかりますが、

小さなお子さんは2週間位から現れます

横から見たレントゲンも同じ様に2週間から仮骨が見えてきました。

このように固定して2週間以降で骨折と確定することもあります。

骨折部のずれのない、いわゆるヒビは初めに診断できないことも多いです

 

もう1例。4歳のお子さん。こけて肘を打ちました。

このレントゲンでの骨折の診断は限りなく不可能だと思います。

同じ様にギプス固定すると以下の様に変化しました。

今までの上腕骨でなく尺骨という腕の部分の骨折でした。4週間で矢印の部分が仮骨で膨れてきていることがわかります。

お子さんの骨折はずれのないヒビが多く診断がすぐにはつかないことが多いので注意が必要です!

怪我をして近くの病院、診療所でレントゲンで異常ないけど様子がおかしくて当院に受診されるお子さんが多いです。

慣れた医師が見ても怪我をした直後には診断ができない骨折もあることを覚えておいてください!

 

逆に私が骨折だと思ってギプス固定しても次の日にまったく痛みもとれてただの打撲だったこともあります!

 

次回は私が思う診断困難の最高難易度の骨折について書きます。



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