コラム

2023年5月28日

側弯症ってご存じですか? 特発性側弯症 その12 手術治療 合併症 


こんにちは。

思春期の特発性側弯症の手術治療の続きです。

手術は側弯の程度にもよりますが3-6時間はかかる整形外科では比較的大きな手術になります。

大きな手術になるため合併症のリスクもあります。

JBJS 2017より引用

アメリカの3000人以上の側弯症の手術の合併症を報告した論文です。

死亡 1例  0.03% ありますが、これは側弯症だからというよりもどの手術にも大きな合併症が稀に起こる可能性があるためだと思います。

手術で挿入するインプラントの合併症が0.42%、神経損傷が0.53%、傷の感染が0.98%が主だった合併症です。

背骨は神経や血管が近くにあるためインプラントの位置が悪くて血管を傷つけるなどのリスクがあります。

また側弯の変形を矯正する時に神経も形が大きく変わるため矯正した後に手足の動きに麻痺がでることがあります。

 

近年ではインプラントもナビゲーションというコンピューターの支援を受けた挿入技術や神経の麻痺も手術中に神経のモニタリングをすることで軽減できてきてはいます。

手術の合併症すべてをまとめると2.6%、100人いれば2-3人、20人いれば1人程度の確率で

合併症は起こります。

 

決して少ない数字ではないですが、以前の手術に比べると手術時間も出血量も合併症も減ってきていて

すごく危ない手術でなくなってきていると思います

必要以上に怖がる必要はないですが、やはり手術ですので合併症もあることを理解して手術を受けるべきだと思います。

 

手術の合併症は以上です。



コラム一覧へ