コラム

2022年11月27日

血管腫、血管奇形という珍しい病気があります


こんにちは!

本日は珍しい病気の血管腫・血管奇形という病気について書きます。

血管腫・血管奇形とは血管が異常に増えた状態で「赤あざ」とも呼ばれていました。

 

以前は疾患の概念もあいまいでしたが、ISSVA分類(イスヴァ分類)という分類で最近は病気が分類されています。

赤ちゃんによくある乳児血管腫は良性血管腫に分類されます。

おそらく多くの方がイメージする血管腫・血管奇形は乳児血管腫のようなものだと思います。

血管奇形としては

・毛細血管奇形

・リンパ管奇形

・静脈奇形

・動静脈奇形

・動脈瘻

に分類されます。

それぞれ以上に増える血管の種類が毛細血管(すごく細い血管)、リンパ管、静脈、動脈と静脈、

動脈と静脈が所々でつながっているものに分類されています。

 

リンパ管奇形+静脈奇形としてクリッペル・トレノネー症候群は比較的有名で

片側の上肢か下肢全体に血管が異常に増えています。

journal of vascular surgery. 2021より引用

 

一般的に血管腫、血管奇形は外観で気付かれて主に放射線科、形成外科、お子さんなら小児科か小児外科で通院します。

血管腫・血管奇形の増えた血管の処置としてレーザー治療や手術での切除、放射線科での血管内の治療があります。

 

私は今まで比較的多くの血管奇形の患者さんを診てきました。

私は血管の処置は一切できません

何故私が多くの患者を診る必要があったのでしょうか?

上肢、下肢の血管奇形では関節の近くの病変のために関節運動の障害や歩けないなどの運動機能の障害がでるからです。

私の勤務していた大阪大学は数少ない血管奇形の治療に数多くの診療科が参加している病院でした。

整形外科以外にも脳神経外科、耳鼻科、病理の先生も参加していました。

放射線科の有名な先生が尽力されて数多くの診療科の医師を集めてチームを作って治療にあたっていました。

滅茶苦茶多くの仕事をされながら、非常に素晴らしい先生です!!

 

特に整形外科は唯一血管自体の治療を行わない異端児ですが、逆に他の診療科の先生ではわからないことが多いため

数多くの患者さんを診る機会がありました。

 

次回は実際にどんな治療をしているのかを書きます。

 

 



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