コラム

2022年2月23日

小さなお子さんの骨折の診断は難しい! レントゲン診断に限界がある!


こんにちは!

前回の続きです。

小さなお子さんの骨折の診断は難しいです

前回難しい理由を書きました。

その中で小さなお子さんはポキッと折れずにヒビが多いと書きました。

それに加えてレントゲン自体も独特です。

お子さんの骨は硬い骨ばかりでなく軟骨という柔らかい部分が非常に多いです。

特に骨の端は軟骨が非常に多いです。

さらに上の図の骨の途切れている部分は成長軟骨(骨端線、骨が伸びる軟骨の部分)で成長期のお子さんの特徴です。

この部分での骨折多く(骨端線損傷と言います)、軟骨部分での骨折なので診断が難しい場合が多いです。

レントゲンはある程度硬いものしか写りません。そのためお子さんの骨はレントゲンで写らない部分が多いです

中には4,5歳まで全く写らない骨もあります(膝蓋骨・お皿の骨、足根骨・足の甲の骨、手根骨・手の甲の骨が代表です)

この図は何歳から骨の端が軟骨から硬い骨になるかを示しています。mは何カ月、yは年です。

そのため大きな骨の骨の端や手の甲、足の甲、膝の皿などの骨折は診断が難しいです。

 

以下は骨折はない正常な骨のお子さんと大人の比較です。

 

足の甲の骨は小さいお子さんではほとんどが軟骨で写らないか一部しか写りません。

膝の関節の部分が1歳ではほとんど写らないのと側面で膝蓋骨(膝のお皿)は4,5歳まで全く写りません!

肘はお子さんで骨折の多い部分ですが軟骨が多いため、診断が非常に難しい場所です!

手首も骨折の多い場所です。肘に比べると診断は容易なことが多いですが、

成長軟骨(骨が成長する軟骨の部分)はレントゲンで写らないのでその場所の骨折は難しいことがあります。

 

次回は実際の骨折の診断が難しい例を提示します!

 

 



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