コラム

2021年10月31日

先天性内反足 装具について


こんにちは!

先天性内反足の話の続きです。

 

今回は装具についてです。

 

生後すぐに初回治療を行って(約3か月程)、その後は装具治療です。

始めの3カ月はお風呂以外、その後は寝るときだけ4歳まで装着します。

装具は足を外に広げる装具で大きくはデニス・ブラウン装具ポンセッティ装具が使われています。

勿論どちらも健康保険で処方できます。

 

デニス・ブラウン装具               ポンセッティ装具

 

デニス・ブラウン装具は石膏で型を取ってオーダーメイド作成する必要あります。

ポンセッティ装具は既製品で型を取る必要はありません。

足を外に広げる効果はデニス・ブラウン装具の方が強いですが、足の力がつよいお子さんでは脱げたり

足に傷ができることがあります。

ポンセッティ装具は矯正力は若干弱いですが、脱げたりしにくく傷も生じにくいです。

私はもともと硬いお子さんにはデニス・ブラウン装具をまずは使用して脱げたり、傷ができたりした場合は

ポンセッティ装具にしています。

勿論お子さんは成長するので、作り直しが必要です。

1回目 生後3-6カ月

2回目 1歳 (赤ちゃんは急激に大きくなるので初回は半年くらいで作り直しになります。)

それ以降は10-12カ月毎に。

 

お子さんですが、夜寝る装具を嫌がる傾向が強いです

内反足の装具も1歳位までは装着できますが、その後に夜中に起きて外したがったり泣いたりすることがあります。

お子さんが寝てからつけても難しいことが多いです。

先天性内反足は再発が問題になります。初回治療が終わってから3,4割のお子さんで追加治療が必要になると報告されています。

再発するお子さんをしらべると装具が継続して装着できないお子さんが多いと数多く報告されています。

日本の先生の報告でもほぼすべてで装具をつけられないことと再発が関連しているとされています。

私の体感的には4歳まできちっと装着できているお子さんは半分以下です。

ほとんどつけられなくなるお子さんは2,3割はいると思います。

皆さん頑張ってつけようとしていますが、2,3歳頃から徐々につけられなくなっていくことが多いです。

 

4歳まで装着するのは発案者のポンセッティ先生の考案です。

3歳まで、5歳まで、6歳までなど正確には検証していないとは思います。

国内の先生でも硬めのお子さんに小学校入るまで装着させている方も居られます。

この辺りはまったくエビデンスがないと思います。

私は4歳を越えて装着したことはほぼないです

個人的には4歳過ぎて装具で追加手術を回避できると思っていないからです。

 

ただし装具をきちっとつけていても再発するお子さんもいるので、経過中にあまり硬くなっていないお子さんでは

それほどシビアに考えなくても良いとは言っています。

夜中に泣いて外してくれとお子さんに言われたら無理ですしね。

 

可能な範囲で良いかと思います。

再発も色々なタイプがあり装具と関係ないものもあります。

次は再発、追加治療について書きます。



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