コラム

2023年5月21日

側弯症ってご存じですか? 特発性側弯症 その11 手術治療


こんにちは。

思春期の特発性側弯症の手術治療に関してです。

Cobb角という変形の角度が30-40度を越えると成長が終わっても側弯の角度が進行すると言われています。

大人になってからでは年に1度以下の進行ですが20年、30年で診ると15-30度の進行となります。

そのため30-40度以上の側弯症では手術治療が行われることが多くなります。

Sicentific Report 2020より引用

手術は一般的には背中にメスを入れて背骨の一部を削って金属のボルトを背骨それぞれに挿入して

棒状のロッドで連結することで曲がりをまっすぐに矯正します。

側弯の形にもよりますが、比較的大きな傷が背中につきますが、以前よりも使う金属の機器がよくなっているため手術による矯正効果は高く比較的まっすぐな状態になることが多いです。

 

手術自体は以前はまる1日かかりの手術でしたが最近では半日で終わる場合も多くなっています。

それでも1,2時間の手術はなく、骨を削るためある程度出血もします。

手術時間は3-6時間くらいだと思います。麻酔時間を入れると+1時間はかかります。

整形外科としては比較的侵襲が高い(体へのダメージが高い)手術になると思います。

 

入れた金属は抜釘といって除去することも以前はありましたが、最近では抜釘することで

まっすぐになった矯正がロスしてしまったり、抜釘する手術自体のリスクを考えてそのままにすることが多いです。

 

次は手術の合併症、入院期間、手術後の運動などについて書きます。

 



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